アメリカ カリフォルニアに来て今年で12年、2024年から日米をつなぐ留学サポート事業を始めた私ですが、アメリカに来たばかりの頃、様々な出来事などをブログで発信していました。
当時の気持ちや考えていたことなどを懐かしみつつ、改めてここで振り返ってみるブログを更新中です。
(アメリカ カリフォルニア オレンジカウンティへの留学についてはこちらのページをご覧ください!)
今回はアメリカで起業するには!実践編について。
当時私が実体験して感じたことなどを、是非お楽しみください。
★以下10年ほど前の私の記録です! ここで書いているルールや金額等は当時のものですのでご注意ください★
さてー、アメリカで起業篇、第三弾です。
個人のソーシャルセキュリティも取れたし、実際に起業するぞ!となったら、何をしたらよいのでしょうか?
私たちもアメリカでの会社経営まだまだ、ひよっこですが、これから始める方のために参考になればと思い、会社設立、最初の3ヶ月でー6ヶ月でしなければならないことをまとめます。(カリフォルニア州の場合)
おおまかな流れとしてこんな感じです;
1.会社設立書類提出:登録する会社の形態を選び、会社名を決め、州にArticle of Organizationを送る
2.定款をつくる。
3.会社の銀行口座を開設する
4.Employer Identification Number (IRS:税務署)を取得する
5.Business License(管轄の市役所),
Seller’s Permit (Board of Equalization 州の査定平準局)を取得する。
6.社員を雇う
などなど、つづく
ここで、信頼できる弁護士だけでなく、信頼できる会計士が必要になってきます。だいたい会社を始めるのに必要なものを自分でやっていたら、半年や一年すぐにたってしまいます。ですから、専門家に任せるところは任せてしまって、自分は本業のビジネスプランに集中するのも一つの手です。。
私は、弁護士さんに今の会計士さんを紹介していただきました。アメリカの会計士さんは、守備範囲が広く、お金のことだけでなく、会社手続きに必要な社労士的な仕事もやってくださるので、会社登記の手続きなど、最初からお願いできます。(私は、知らずに弁護士に頼んで高くつきました。)
ひとつずつ見て行きます。
1.会社設立書類提出:
登録する会社の形態を選び、会社名を決め、州にArticle of Organizationを送る
a. 会社形態を選ぶ
アメリカの法人格には、C-Corporation, S-Corporation, LLC, Sole Member Proprietorなど、
さまざまな違いがあります。 日本の、株式会社、有限会社、個人事業主のような感じです。それぞれの特徴やメリット、デメリットを考えて、書類を提出することになります。
大手の会社であれば、Corporationを選ぶことも多いでしょうが、私たちは、LLCを選択しました。
(ひとつ大きな違いは、破産したときに、個人が責任をおう必要があるかないかで、LLCは必要がありません。また、LLCは税金も安いです)
詳しくは、州のホームページで確認ください。
↓
http://www.sos.ca.gov/business-programs/business-entities/
b.会社名を決める
会社名は、同じ市で使われていない会社名を選びます。登録したい会社名が使用可能かどうかもホームページや弁護士会計士さんを通じて調べられます。
また、屋号を別に設定することもできます。
DBA(Doing Business Asの略)または、Fictitious company nameと呼ばれていますが、市役所で登録できます。
いわゆる通称で、お客さんやベンダーさんから分かりやすい、何のビジネスなのかが分かる名前をつけます。
c. Article of Organizationの用紙を記入して、州に送ります。
ここで、カリフォルニアに住んでいる人の名前を代表でひとり記入する必要があります。
2-3週間すると、右横にFiled、と日付のスタンプが押されて戻ってきます。その日付が会社設立日になります。

これで会社は設立できました!
もし知識があれば、このステップは自分でもできるかも。
2.定款を作る。
会社の登記と同時に会社の定款(Operating Agreement)を作っておく必要があります。
これは会社の内部文書で、資本金やオーナー(Memberと呼びます。)が明記されています。これは、銀行口座を空けるとき、会社の買うとき、売る時、保険に入るときなど、出番が多いです。そして、これは、弁護士会計士さんにお願いしたほうが、後々アップデートするときも楽です。
3.銀行口座を作る。
日本も最近口座開設が厳しくなっているようですが、アメリカも書類が揃わないと開設できないので、我々は、3ヶ月くらい口座開設で足踏みしました。銀行口座(cheking account)がないと会社の活動が何もできないので、とにかく口座開設はすぐできるに越したことはありません。
各銀行固有の条件設定があるので、なるべく条件の少ない銀行をメインバンクを決める必要があります。また、オンラインバンキングが進んでいる銀行をメインバンクにすることもおすすめです。口座を開いたら、会社のチェック(小切手)を発行してもらいます。アメリカは、現金の代わりに、チェックでの支払いが多いですから。

Seller’s Permit見本:業界ごとに必要なPermit/Lisenceが変わります。
4.Employer Identification Number (IRS:税務署)を取得する
5.Business License(管轄の市役所),
Seller’s Permit (Board of Equalization 州の査定平準局)を取得する
これは、丸投げできるなら、丸投げしましょう。アメリカのお役所は時間がかかりますし、書類の管轄官庁もバラバラですし、慣れている人がやらないと何回もやり直しになるので、できれば専門家にお願いしましょう。
私は、Business Licenseは自分でトライしました。最初の事務所はすんなり取れましたが、2つ目の工場のライセンス取得で手こずっています。市によって、消防法や建築法に照らし合わせて、ここを直せ、あそこを直せといちいち査察が入ります。この査察でパスしないと営業ライセンスがもらえません。この査察の目的は、改善ポイントを直すときに、Permitをもらうのですが、このPermitが有料なので、単なる税金稼ぎです。そもそもBusiness License自体が、市からの所場代みたいなものですので、とにかく事業体からお金を吸い上げるためのいろいろなライセンスです。

Business Licenceの見本
Seller’s Permitも同じようなものですが、このSeller’s Permitがあると、業者間の取引での消費税が発生しません。エンドのお客さんに売る時だけ、消費税をつければよいので、Vendorさんが一つでもある場合は(いやなくても)、取得しないといけません。
6.社員を雇う
会社が大きくなると社員が必要です。社員を雇うと、いろいろな義務も発生します。
a. Payroll(給与計算)
日本だと社員の給料計算は、社内の経理の方がやりますが、こちらでは、Payroll会社が計算して、直接、州や市に支払いをします。(もちろん、事業者の口座から)
b. Worker’s Comp(労災)
社員として雇用した場合、(W-2と呼ばれます)、労災に入る義務があります。これは会社負担です。
注:税金が前払い、そして、労災の義務もあるため、多くの会社が、W-2の正社員でなく、Independent Conractor (10.99と呼ばれます)という外注扱いの契約社員で人を働かせることが問題になっているそうです。
州としては、税金がW-2でしっかりとれない恐れがあるので、事業者への見回りなども行っているそうです。(日本のマルサみたいですね)
あとは、実質正社員なのに、10.99で働かされている方に弁護士が肩入れし、事業者を訴えるケースが最近多発しているようです。弁護士は、事業体からもらった違約金などを弁護料としてもらえるので、そのような噂を聞きつけると社員に歩みよるらしいです。(なんでも訴訟するアメリカって怖い!)
私たちのような外国人による就労ビザオーナーの会社は、州にきっちりと税金を払っている会社と思われないとビザがでないので、きっちりと払わせてもらっていますよ。笑
c. その他会社の福利厚生
医療費、健康保険などが高いので、会社が保険に入ってくれると社員は助かりますね。
大手は、社内にレストランを開設し、社員が長時間働けるようにサポート(?)会社も増えているようです。
うちの会社では、毎日社員のお母さんがやってきて、会社のキッチンで息子と娘にランチを振る舞って、帰ります。(面白すぎ!ランチに外出することを考えたら、時間短縮だし、会社はまったく負担してないので容認。笑)
d. 契約書や社員の行動規範をまとめたハンドブック
訴訟対策で、契約書関係はきっちりしておいたほうがいいと弁護士から口をすっぱくして言われています。まー弁護士が作るので、私たちの利益というより自分たちの利益に聞こえて仕方ないですね。
アメリカで経営して思うのは、日本と比べて、弁護士費用と保険会社に払う保険料が高いなー。アメリカ、もしもの事態が結構身近で怖いです。日本はやっぱり平和だったなと。
最期に、やはり会社経営には、優秀な専門家チームの存在が不可欠です。
弁護士、会計士、できれば、いろんな情報を持っているブローカーなど。足下固めておかないと怖いです。
以上、いかがでしたでしょうか?
このほかにもカリフォルニアでの生活のあれこれをご紹介する記事がたくさんございますので、ぜひ他の記事もご覧ください♪
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